対人関係に悩んだあげくアサーティブセミナーに参加してみた(後編)
さて、前回に引き続きアサーティブの話です。アサーティブを学ぶにあたってセミナーでは、自分のコミュニケーションパターンを調べました。人のコミュニケーションパターンは、「攻撃的」「受け身的」「作為的」のつがあるそうです。僕はこのうち、「受け身的」という結果が出ました。まあ、こんなセミナーに自分で出てみようと思う人なんていうのはたいてい「受け身的」な人で、「攻撃的」とかの人に煮え湯を飲まされている感じでしょう。腹が立ちますね。
で、自分のコミュニケーションパターンを知ったら、これをアサーティブなコミュニケーションに変える努力をしなければなりません。もちろん3つのコミュニケーションパターンはどれもほめられたものではなく、ついついやってしまう悪いコミュニケーションです。「受け身的」だけが悪いわけではありません。
アサーティブにコミュニケーションするためには、前編に書いた「アサーティブの4つの柱」と「12の権利」を意識します。丸暗記するくらいの気持ちで覚えた方がいいでしょう。この2つをベースに、セミナーでは2つのシチュエーションに分けてロープレを行いました。
■アサーティブの実践方法
【シチュエーション1】素直に頼んでみる
相手に要求を伝えられないと、自分がしんどくなっていくばかりです。そこで必要となるのが、「要求を伝える場合のアサーティブ」です。
<要求を伝える手順>
1.要求の的をしぼる
何かを伝えたければ、要求は一つにし、話は具体的にする必要があります。
2.くりかえし自分のポイントに立ち返る
要求はぶれずに繰り返し伝えます。相手の話に合わせて話がずれていくと要求を通すことはできません。
3.気持ちを言葉にする
ここ、大事です。要求が伝わらないのは、自分の気持ちが理解されていないからです。「困るからこうしたい」とか「疲れるからこれはやめたい」とか、そんな感じで全くかまいません。言いにくいことなら「言いにくいんですが」と、素直に伝えましょう。
4.ボディランゲージはハッキリと
態度や表情は気持ちと連動させます。取り繕う必要はありません。伝えたい内容と態度が一致することで、より一層伝えたいことが理解されやすくなります。
5.相手を理解する
自分のことを理解してもらうには、相手のことを理解しなければなりません。「あなたの立場はわかるのですが…」と、クッションを入れましょう。
【シチュエーション2】「ノー」と言ってはっきり断る
「ノーと言えない日本人」という言葉があるくらい私たちは断るのが苦手です。断るのも技術です。勉強して少しずつ実践していけば、きっとできるようになります。
<断るときの手順>
1.何を断るのか的をしぼる
相手の要求がいやなのか、言い方がいやなのか、仕事内容なのか、納期なのか、何がいやなのかを具体的につきつめ、的をしぼります。
2.その場で返事をしなくてもよい
「断る」という作業は結構骨が折れるものです。ですからお願いされたらすぐに返事をするのではなく、「状況を確認するので少し待ってもらっていいですか?」と言ってみたり「もう少し詳しく教えてもらってもいいですか?」という風にして、判断できるまで時間をかけるとよいようです。
3.断るときははっきりと簡潔に
相手が聞きたいのは弁明などではなく、自分自身の意志です。はっきり言わなければ伝わらないということを肝に銘じましょう。
4.代替え案を提示する
相手に同情する必要はありませんが、ただ「ムリです」というのでは、相手も引き下がれない場合があります。そのため、「自分はできないので、こうしてはいかがでしょう?」という代替え案を提示できるとよいでしょう。
5.後ろめたく思わずにさっさとその場を立ち去る
上手く断ることができたら、後ろめたさを取り繕おうなどと思わずに、さっさとその場を離れましょう。「ムリなんだから断って当たり前」というスタンスでいることが肝心です。こういう態度をとり続けていれば、自然とアサーティブな自分になっていけると思います。
いかがでしょう。なんとなく、これなら自分も相手も納得できる結果に持ち込めるのでは?と思えるのではないでしょうか。
アサーティブというのは技術です。実践していけば、誰にでもできるようになるはずです(と教わりました)。僕もこのスキルをマスターして、上手に生きられるようになりたいと思います。